左肩

左肩が痛い。

まだ30歳になるかならないかのころから、同じような痛みにしばしば悩まされるようになった。「四十肩」「五十肩」という言葉は頭にあったが、まだ40歳までかなり猶予があったために、きっと違う病気だと思っていた。

ここ数年は調子が良かったのだが、今年の春からかなり深刻な状態となり、友人の整形外科医を訪ねたところ、レントゲンとエコーの画像を見ながら「ここにカルシウムがたまっているよ」と指摘された。肩の腱が動くとき、カルシウムのかたまりが邪魔するために、腱が炎症を起こしているらしい。

手術するほど深刻なものではないということで、痛み止めと、痛み止めに胃をやられないための胃薬をもらい、理学療法士の人に、肩の痛みを和らげるための体操を教わって帰ってきた。これがどうにも効かない。体操をすることで痛みがひどくなったような気さえする。

もうすぐ私も50歳。日本人の平均的な健康状態からみれば早すぎるが、すでにジジィの域かと嘆きながら、痛む左肩を揉みながら自宅でテレビで見たら、コマーシャルに同じような人が出てきた。肩が動かない、夜痛みで目が覚める。「そうそう、そうなんだよ」と見入ったら、「小林製薬ジジラック」という薬のCMであった。まさに小林製薬が巨費を投じて私のためだけに開発したような薬、そしていつものようにわかりやすさだけを追求したCMである。

ただ、あまりのピンポイントさに逆に不自然さを感じてよく見てみたら、「ジジラック」ではなく「シジラック」。四十肩が楽になるという意味をこめた商品名であった。

翌日の昼ごろ、クルマを運転していたら、ちょうど肩の痛みを意識したところでドラッグストアの看板が目に飛び込んできたので、右手でハンドルを切って店の駐車場に入れた。「シジラック」は「アンメルツ」や「バンテリン」など筋肉痛や肩こりの薬の近くに陳列されていた。水と一緒に買い求め、クルマに戻ってすぐ飲んだ。

箱に「漢方処方」「まずは1週間」と書いてあったので、即効は期待していなかったのだが、その日の午後から明らかに痛みが和らいだ。噴霧式の鼻づまり薬を除けば、薬のこれほどの顕著な効き目を体感したことがなかったので驚いた。まだ微かな痛みは残っているものの、これなら肩のことを忘れていられると、安心した(なお、噴霧式鼻づまり薬は、薬効が切れたあとの詰まりの原状回復のスピードも極めて速いので、あんまりいい例ではない)。

昨日、やむを得ず重い荷物を左手に持って出かけたので、今朝からは痛くて痛くてしょうがないのだが、朝食時に4錠飲んだし、あとは昼食時に4錠くらい飲んどけば、小林製薬がなんとかしてくれるであろうと、キーボードに左手を乗せると左肩がキリキリと痛むにもかかわらず、楽観的な気持ちになっている。

小林製薬のネーミングはわかりやすくて絶妙だが、期待感が膨らむだけに、裏切られた消費者は失望感や怒りをつのらせるかもしれない。いや、私は全面的に「シジラック」を信頼しているけれど。

—————追記—————

ごくわずかではあるが、このブログも読んでくださっている人がいる。「ジジラック 効果」を検索し、その結果からこのページに飛んでくる人もいるようだ。誤解させてしまうおそれが強いので、あわてて修正。

この記事を公開してから約4ヶ月が経つが、結論から言うと、ジジラックは私には効かなかった。効いたような気がして左腕を必要以上に動かしたのが悪かったのか、服用後数日間は悪化した。結局、再度病院を訪れ、痛み止めをもらった。そうこうしているうちに痛みの存在になれてしまい、いまも少し痛んではいるものの、社会生活に支障が出るほどではなくなっている。

まあ、ジジイだからこんなもん。体のあちこちが故障するのはしかたない、と達観することで、心理的に楽にはなったという意味で、「ジジラックの境地」には達したのかもしれない。

広告

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Google+ フォト

Google+ アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

%s と連携中