再会

少し前、このブログにクラス会のことを書いたのだか、その2回目があった。今回は他のクラスにも声をかけたので正確には同期会ということになる。始まるのは夜6時。その日私は朝早くから実行委員会の一員としてあるイベントの開催に関わっており、いったん帰宅するため2時ごろタクシーに乗った。

運転手に住所を告げて夜の同期会のことをぼんやりと考えていたら、私の目の前、助手席の背面に掲げられている運転手の名前に見覚えがあることに気がついた。前回のクラス会で話題になったFと同じ姓だった(参照)。下の名前は覚えていない。私からは顔が見えないので、恐る恐る「運転手さんはおいくつですか」と聞いてみた。私と同い年だった。「中学校はどちらですか」。やはり私と同じ。同期会の直前に、その学年で(本人にとって望ましくないかたちではあったが)最も有名だった人と、31年ぶりで再会したのである。

私は手短かに、中学校の同期生であること、数時間後に同期会があることを告げてFに参加を勧めた。Fは私のことを覚えておらず、その日は夜遅くまで運転の予定が入っているので参加できないと苦笑いした。

「もうちょっと早く教えてもらえれば行けたんですけどね」というFの言葉が本心なのか、社交辞令なのかわからなかった。中学校時代、Fに対するイジメを傍観していた引け目もあって、私は連絡先を尋ねることができず、代わりに私の勤務先を告げ、次回の同期会の前には必ず連絡するので興味があれば連絡してくださいと言った。

その後、Fが語ったところによれば、Fは生家をすでに離れ、いまは市内の別の地域に住んでおり、いくつかの職業を経て数年前にタクシー会社に就職。「まあ、なんとかやっています」とのことだった。前回のクラス会で他の人から聞いた、いまも生家で母と暮らしているという話や、定職についていないという話はウソだったことになる。

タクシーが家に着き、私はFに別れを告げた。少し休み、シャワーを浴びてから会場の居酒屋に行った。私は自己紹介の中で「実は、ついさきほど…」とFとの再会の話をしたのだが、他の参加者の反応は意外なほど冷淡だった。前回、Fのことが強く印象に残っていると語った女子は欠席しており、私がFの名前を出すだけで顔をしかめる人もいた。もし私の一方的な思いのためにFを呼んで来たら、かえって辛い記憶を呼び覚ましてしまったかもしれないと思った。

再会から今日で5日が経つ。Fから連絡はない。

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