桃女

ラジオをmp3形式のファイルにタイマー録音する機械を3年ほど前に買ってから、ラジオを聞く時間が増えた。台湾やイギリスのラジオもインターネット経由で聞いている。radikoのサーバーがなぜか私の会社のパソコンは東京にあると認識するので、在京AM局も聞くようになった。

最近聞きはじめたのが、昭和の音楽を流しているNHKラジオ深夜便の3時台。深夜便といえばじいちゃん、ばあちゃんご用達の番組であり、取り上げられる音楽は戦前や終戦直後のものがほとんどで、40代中盤の私などお呼びでないと思っていたが、実際には私がちょっと背伸びすれば聞ける昭和40年ごろ、子どものころに聞いた記憶がはっきり残っている昭和50年代の歌謡曲も、かなりの頻度でかかっていることがわかった。

たとえば昭和45年なら、西暦に直して1970年。当時はフォークに熱中していた20歳の大学生も、今年61歳になる。爺さん、婆さん(この言葉が指し示す年齢層もかなり高めにシフトしているが)が深夜便で吉田拓郎を聞いたって全然おかしくない。

先日、知人の知人くらいの距離にいる人が、おじさんバンドを率いて老人福祉施設に慰問に行き、ビートルズの曲を演奏してきたという話を聞いた。老人ホームにおけるビートルズ。やや違和感はあるが、そのバンドのメンバーたちがもうすぐ60代だから、あと10年もすれば違和感は薄れ、15年もすればど真ん中になる。

かねがね感じていたことだが、小学生のころにピンクレディーに熱中し、休み時間のたびに振り付けのコピーの精度を競っていた女の子がばあちゃんになるのはいつだろうか。私と同じくらいの歳の人がコアな年齢層だとすれば60歳まであと15年。その時点で本物のピンクレディーが老化防止を目的にした往年のヒット曲の振り付けDVDを発売すれば、かなり売れるのではないか。皇潤のメーカーあたりがすでに2人と契約を結んでスケジュールを抑えているかもしれない。

なにせまだ1ヵ月しか聞いていないので断定はできないが、まだラジオ深夜便ではアニメソングを聞いたことがない。私の世代で人並みにアニメを観ていた小学生なら、最も頻繁に聞いた曲がアニメの主題曲であることは間違いないと思うのだが、私よりも10歳、15歳年上の人にとってはアニメソングよりも加山雄三など映画発のヒットのほうが印象深いようだ。また、深夜のNHKラジオの落ち着いた語り口と、ゲッターロボやマジンガーZの曲の調子が合うとも思えない。

一つだけ、まったく違和感のないアニメソングがあることに気がついた。元祖天才バカボンのエンディングで流れていた「枯葉散る白いテラスの午後三時~」の歌。リアルタイムで聞いたときには、なぜギャグマンガの終わりにこんな大人びた音楽なのかがまったく理解できなかったが、アニメソングのためにいち早く老人向け深夜ラジオ番組を切り拓く先駆者的な役割を当時から与えられていたとすれば、作者の先見の明に驚くほかない。

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