花粉

多くの仕事には、周期がある。現在の私の仕事は月サイクル。毎月5日ごろに山が来て、15日ごろにこの会社を訪れて、30日にはこの人からメールが来るといった具合に、行動パターンがかなり決まっている。

すべてが月サイクルなのではない。年サイクルで動く仕事もある。ある会社には、この5年間くらいだろうか、基本的には年2~3回、5月の連休明けから6月初旬にかけて訪れている。隣町にあるその会社まで車を走らせると、田んぼに張られた水に映った雲や空の色に、ようやく寒い季節が終わったことを感じて、気持ちが高揚したりする。

ところが、その帰り道で鼻水が出るようになり、目もしょぼしょぼしてくる。1~2週間その症状が続いたあと、涙腺のあたりが痛くなる。いまから2年前に気がついた。「そういえば、あの会社に行ったら決まって具合が悪くなる。昨年も一昨年もそうだった」

私がいつの間にか花粉アレルギーになっていることに気が付いたのは、症状が出てから少なくとも丸2年が経ってからだった。連休明けといえば、いろいろな草や木の花粉が飛散しはじめる時期。見通しのいい郊外の直線道路で窓を開けて走るのは、私の目、鼻、口の粘膜を花粉の集中豪雨にさらすようなものだ。

小さな花粉のつぶは目に見えないから、飛散状況は天気予報で知るしかないと思っていたら、今年は天候の関係か、花粉が目に見えるほどに多かった。車のガラスにはやや緑がかった黄色い粉が撒かれたようになっていて、雨が降ったあとアスファルトにできた水たまりは、黄色い線でくっきりと縁どられていた。私がアレルギーや花粉に関心がなかっただけかもしれないが、こういう状況は過去に記憶がない。それだけに症状は昨年、一昨年よりも深刻だ。

実は今日または明日、書類を持ってその会社に車で行かなければならない。ほかの季節ならこんなに花粉症で苦しまなくてもいいのに、とは思わない。その会社の私に対する反応は年ごとに渋くなっており、「今年で最後にしよう」と言われるのではないかと心配しているのだが、花粉症であることを明かしたうえでくしゃみを聞かせ、先方の目の前で何度も鼻をかんで、充血した涙目で見つめれば、奴も人の子、それほど冷淡にはなれないはずだ。

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